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消費税の輸出免税について

輸出免税とは

消費税には、輸出免税という制度があるのですが、ご存知でしょうか。消費税は、基本的に国内で消費されるものに課税されます。国内とは、日本国内のことです。

よく免税、免税といいますが、外国人が国外で消費するために、日本国内で購入したものについて、消費税が免税になるということです。このいわゆる輸出物品販売場における免税(外国人が日本国内で購入したもので、海外で使用するものについては、日本の消費税は免除しますというもの)というのは、輸出物品販売場における免税(8条)ですが、消費税7条のここで紹介したい免税と、趣旨的には同じものと私は考えています。

ここで、紹介したいのは、輸出物品販売場の免税ではなく、日本人(日本にある法人、日本に居住する外国人など)が国外に物品等を輸出する場合の消費税法7条免税のことです。

消費税の輸出免税とは、日本国内から、国外に物品等を輸出した場合には、購入者が国外にいる、その輸出商品については、日本の消費税は課税しない(免税にする)というものです。

日本の商品をアメリカで購入するといったときに、日本の商品だからといって、日本の消費税は、かかりませんよね。輸出時に消費税を上乗せしてしまうと、国際競争力の観点から、自国商品が不利になってしまうためです。

事業者の立場で考えてみると、100円の商品を日本国内で販売する場合には、10%の消費税が課税されて、110円で日本国内の消費者に販売することになります。

それに対し、国外に輸出する場合(外国にいる人に販売する場合)には、100円(消費税が0%)で輸出できるということです(ただし、当該輸入国で、関税や消費税に相当する税金が課税されるケースもあります)。

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消費税の計算方法

消費税の納税額の原則的な方法は、預かった消費税から支払った消費税を引いて計算します。

預かった消費税 - 支払った消費税 = この値がプラスなら消費税納付

預かった消費税 - 支払った消費税 = この値がマイナスなら消費税還付

預かった消費税を計算する際、輸出免税の扱い(要件を満たす必要がある)を受けられる商品の輸出売上にかかる消費税は、ないもの0として計算することができます。

輸出免税の要件を満たす売上しかない場合には、売上による預かる消費税をゼロとすることができるということです。0%課税といわれることもあります。

ここで、重要なことは、輸出売上には、消費税が課税されないということですが、その輸出商品を製作するためにかかったコストは、仕入税額控除できるということです。

簡単に説明すると、90円の商品を99円(10%の消費税が課税されて)で国内で仕入れたとします。これを、100円で輸出することになります。税込経理の場合には、利益は、100円と99円の差で、1円です。

預かった消費税 0円 -  支払った消費税 9円 = マイナス9円

支払った消費税の方が大きくなっています。

この場合、消費税の課税事業者である場合には、預かった消費税0円と支払った消費税9円銭の差額の9円銭の消費税の還付請求を行うことができます。(実際には、全額還付されないケースなどありますが、単純化して説明しています)この場合には、支払った消費税の一部の還付を受けることができます。

ビジネスモデルの一例

日本にいる外国人が、日本で課税の物品を購入し、本国に輸出する。本国で、関税、消費税に相当する税金が課されても、その商品を販売することができれば、日本においては、その仕入にかかった消費税相当額の還付請求をすることができるということです。

しかし、販売価額と仕入価額との差額には、利益が出ている場合には、法人税、所得税などのもうけにかかる税金が課税されます。不当に低い価格などで、輸出するなどすると、移転価格税制など他の規定の制限を受ける場合もあります。

輸出免税を受けることの効果は、国内の消費税を上乗せしないで輸出できるということに加えて、その仕入に係る消費税の還付を受けることができることにその本質があります。

消費税の基本的な計算の方法は、預かった消費税(売上に含まれる)から支払った消費税(仕入れなど給与等以外の経費に含まれる)を引いた金額を支払うのが本質です(正確には、いろいろな場合があります)。輸出の場合には、預かった消費税が、輸出売上しかないのであれば、ゼロとなることにより、国内で支払った消費税のみ残ることになり、基本的にこの部分の還付が受けられるということです。

免税を受けるための要件

下記、7条の条文によれば、2項において、その課税資産の譲渡等につき、証明がなされたものでなければならないとあります。輸出取引の証明書が必要ということになります。

国税庁のホームページによれば、例えば物品の輸出のうち輸出の許可を受ける場合には輸出許可書が、サービスの提供などの場合にはその契約書などで一定の事項が記載されたものが、輸出取引等の証明として必要となるとあります。

参照 国税庁 輸出免税

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サービスの輸出という、非常に興味深い場合があるので、その点については、 このレポートをご参照。非居住者に対するサービス輸出

消費税法第7条

事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。

一 本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け

二 外国貨物の譲渡又は貸付け(前号に掲げる資産の譲渡又は貸付けに該当するもの及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律(昭和三十年法律第三十七号)第八条第一項第三号(公売又は売却等の場合における内国消費税の徴収)に掲げる場合に該当することとなつた外国貨物の譲渡を除く。)

三 国内及び国内以外の地域にわたつて行われる旅客若しくは貨物の輸送又は通信

四 専ら前号に規定する輸送の用に供される船舶又は航空機の譲渡若しくは貸付け又は修理で政令で定めるもの

五 前各号に掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの

【令】第十七条 ・第十九条

2 前項の規定は、その課税資産の譲渡等が同項各号に掲げる資産の譲渡等に該当するものであることにつき、財務省令で定めるところにより証明がされたものでない場合には、適用しない。

輸出免税等の範囲

(1) 本邦からの輸出(原則として関税法第2条第1項第2号《定義》に規定する輸出をいう。)として行われる資産の譲渡又は貸付け

(2) 外国貨物の譲渡又は貸付け

(3) 国内及び国外にわたって行われる旅客又は貨物の輸送(国際輸送の一環として行われる国内輸送区間における輸送を含む。)

(4) 外航船舶等(専ら国内及び国外にわたって又は国外と国外との間で行われる旅客又は貨物の輸送の用に供される船舶又は航空機をいう。以下同じ。)の譲渡又は貸付けで船舶運航事業者等(令第17条第2項第2号《輸出免税等の範囲》に規定する船舶運航事業者等をいう。以下同じ。)に対するもの

(5) 外航船舶等の修理で船舶運航事業者等の求めに応じて行われるもの

(6) 専ら国内と国外又は国外と国外との間の貨物の輸送の用に供されるコンテナーの譲渡、貸付けで船舶運航事業者等に対するもの又は当該コンテナーの修理で船舶運航事業者等の求めに応じて行われるもの

(7) 外航船舶等の水先、誘導、その他入出港若しくは離着陸の補助又は入出港、離着陸、停泊若しくは駐機のための施設の提供に係る役務の提供等で船舶運航事業者等に対するもの

(8) 外国貨物の荷役、運送、保管、検数又は鑑定等の役務の提供

(注) 特例輸出貨物(関税法第30条第1項第5号《外国貨物を置く場所の制限》に規定する特例輸出貨物をいう。以下7―2―13の2において同じ。)に係るこれらの役務の提供にあっては、次のものに限られる。

(1) 指定保税地域等(関税法第29条《保税地域の種類》に規定する指定保税地域、保税蔵置場、保税展示場及び総合保税地域をいう。以下7―2―1及び7―2―13において同じ。)及び当該特例輸出貨物の輸出のための船舶又は航空機への積込みの場所におけるもの

(2) 指定保税地域等相互間の運送

(9) 国内と国外との間の通信又は郵便若しくは信書便

(10) 非居住者に対する令第6条第1項第4号から第8号まで《無形固定資産等の所在場所》に掲げる無形固定資産等の譲渡又は貸付け

(11) 非居住者に対する役務の提供で次に掲げるもの以外のもの

イ 国内に所在する資産に係る運送又は保管

ロ 国内における飲食又は宿泊

ハ イ又はロに準ずるもので国内において直接便益を享受するもの