小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等について
不動産貸付を行っている場合
- 小規模宅地等の特例のうち、貸付事業用宅地等についての説明
- 相続人が一人の場合の簡単な相続税計算例
小規模宅地等の特例ってご存知ですか?
相続税の減額の話ですか?
そうです。その中でも、今日は、不動産貸付事業用の宅地について、簡単に説明しましょう。
不動産貸付って、アパートとかを貸しているということですか?
この場合は、例えば、お亡くなりになった方が所有されていた土地の上に建物(例えばアパート)を建てて、それを他人に貸付しているような場合のことです。
何か、相続税の計算で、いいことがあるんですか?
相続税の計算をする際、減額することができる場合があるということです。他に事業をしていた土地があるとか、住んでいた土地があるとかいった場合(そちらを優先して使う場合もある)を除き、200平方メートルまで、50%、土地の価額を減額できるという制度です。
よくテレビとかで宣伝している、アパート建てて、税金を節税するということですか?
あの話は、この話と一部関係している場合もありますが、ほんの一部分です。あの話は、いつか、させていただくとして、今日は、小規模宅地等の貸付事業用宅地等について説明したいと思います。
相続税計算例(貸付事業用宅地等)
例えば、Aさん(保有資産が、自己所有土地(相続税自用地評価額4000万円の上に居住用アパート(固定資産税評価額500万円)を建てており、その他、銀行預金が5000万円あった。)がお亡くなりになった。生前贈与財産、葬式費用などなく単純化して考えてみましょう。(土地は、借地権割合70%にあるものとします。)
Aさんの相続人は、1人で子供Bさんがいるとします。Bさんが、すべての財産(アパートの建物および土地及び銀行預金)を相続財産として取得した。この場合の、相続税の計算はどうなると思いますか?
相当かかりそうですね。
この場合、相続人がお一人なので、相続税の非課税額が3000万円+600万円で、3600万円です。
まず、建物ですが、一般的に貸し付けている建物は、相続税評価額は、500万円X(1-30%)=350万円となります。また、土地についても、4000万円X(1-70%X30%)=3160万円となります。これは、小規模宅地等とは、関係なく、建物をたてて、それを他人に家賃をとって、貸し付けている場合には、制約を受けているということで、まず評価が下がります。
建物を建てて、貸し付けていると相続税の評価額が下がるのですか?
そうです。だから、宣伝で相続税対策として、アパートを建てましょうという宣伝文句が、よくありますよね。でも、建物を建てるのにお金を払わなければならないし、銀行借り入れをしたら、債務控除で相続税は、減るけど、将来にわたって、利息を払わなけれならないし、・・。相続税対策が、必ずしも、トータルで考えてプラスかどうかは、わかりませんね。今日は、この話ではないので、これくらいにしておいて、本題の方に移っていきますね。
小規模宅地等の特例ですか。
そうです。この場合、Aさんの子Bさんが、アパートの貸付を続けていくことが前提で、3160万円として、評価された土地が、200平方メートルまでなら、50%に下げられるということです。例えば、土地が120平方メートルなら、3160万円X50%=1580万円にできるということです。
この場合、相続税は、いくらぐらいになるのですか?
単純化して考えているのですが、建物350万円+土地1580万円+銀行預金5000万円-非課税枠3600万円=3330万円に相続税がかかります。この場合、3330万円X0.15-50万円=450万円となります。
小規模宅地等で、土地の評価額の50%分つまり、1580万円分、相続税が低くなったということですよね。
そうです。不動産貸付の場合は、規模が小さい場合など3年以上前から、行われていなければならない(所得税申告書の提出により証明されます)など、要件がある点についても注意が必要です。また、これは、令和2年中の法律を前提としております。
また、教えてください。
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